親の安心、子供の……

新型インフルエンザのおかげで、子供がちょっと熱が出すと病院にすっ飛んでくる親御さんが後を絶ちません。

「熱でてすぐには検査してもムダ」と言っても、叫びだす泣き出す『訴えてやる』と喚き散らす親御さんも(たまに)います。そこまでひどくないけど食い下がる人は、かなりいます。

特段のツッコミいれなくても、すぐに本音は出てきます。
某所的表現をするとファビョーンな人の場合、要約すると
「自分は心配なんだから、それを安心させてくれて当たり前だ!
なんで親を安心させるために『罹ってない』って言わないんだよ!!」
というところです。
そうじゃない方の場合も、
「親を安心させるために『罹ってない』って言ってくれてもいいじゃないか。
検査もしてくれないのか、ケチ!
やってくれれば私たちは安心できるのに!!」
に近いものがあり、両者共通するのは要するに、「罹ってないといって、安心させてくれ」という事です。

でも、「罹っていません、絶対に。だから安心してね♪」の一言は、絶対に言えない一言。検査は「ウイルスや抗体の量が少なすぎて、検出できない」こともある以上、陰性=かかってない、とは言えない。
とくにこういう早く来すぎた場合には、罹ってるけど、早く来すぎて抗体もろくにできておらず、陰性しか出ない、というのが本当のところ。それで「罹ってない」なんて言っちゃったら、それはタダの詐欺師です(検査が陽性になる時間になってからなら、陰性の結果を見て「罹ってないと思うよ」とは言えますが)。

ついでに言うと、この検査、けっこう痛いものです。
何度グリグリやったところで、陰性ばっかりじゃあ、治療につながるわけじゃない。陰性しか出ないと確信できる時間にやるインフルエンザ検査は、子供に無駄な苦痛を与える以外の効果はないわけです。
一方、陽性判定が出やすい時間まで待って来てくれれば、たった一回、痛い目を見るだけで治療法を変えられる。
というわけで親御さんがどれだけ泣こうが喚こうが、「罹ってるかもしれないけど、今は我慢」としか言えません。

ベテラン看護師はいつぞや、キレそうになる親に向って「インフルエンザはね、2,3日はお熱が出るんだよ。親は我慢が仕事だよ」と言っておりました。
このような事例はあっちこっちで聞きます。
これについて、「いつから病院は「我慢の出来ない親を子守する場所」になった?」とキビシイ突っ込みを入れた人も居ましたが、まあ、こういう親御さんに対しては、そういう見かたもあるようです(賛成もしませんが、反論する必要はないでしょう)。
 

で、そんなこんなな日々が続いておるわけですが、ある日のこと。

比較的落ち着いてるお母さん。子供は熱があるけどけっこう元気です。
他院で数時間前に検査されたとのことですが、まだクスリの使える時間でしたので、検査する意味自体はありました。
が。
「(インフルエンザの検査を)ゼヒやってください。痛くてもいいです

……なんか違う、と思うのは私だけではないだろう、うん。

というわけで、念のために再確認。
「半日前も陰性だったんだよね。陽性が出ればお薬出せるけど、今のお熱だとやられ損になるかもしれない。それでも、いい?」
「構いません。(ワタシが)安心できるだけでもいいんです」
「お母さんが幾ら安心できても、グリグリされるのは○○ちゃんだから、痛いの○○ちゃんなんだよね(苦笑)」
「あ……そーでした」

素で忘れてたのかよ!
ツッコミに素直に反応してくれるお母さん、これでもずいぶんマシな部類に入ります(マシじゃない人はココで即、叫びだすそうで<私は1例しか経験していない)
親の安心のために子供に何を負担させているのか、もうちょっと考えて欲しいと思う次第です。

子供はせっかく寝てるのに、「熱があるから起こして連れてきました」と夜中に言う親御さんには、特に(寝かせてやってくれ……)。

余談:タミフルのおはなし

いつぞやは、「タミフルのせいで脳症になった!タミフルは悪!!」と、主張されてる方々もおられた訳ですが……
インフルエンザが心配で心配でたまらない、「新聞の地方版で、流行ってるって書いてたから」「テレビで、死んだ人が出たって言ってたから」と言いつつやってこられる方はなぜか、『タミフルが悪者になってた騒動』をお忘れのご様子(そこまで熱心にテレビを見て感化されてる方なら、当時も当然、感化されてたはず)。

仕方ないので、タミフルを貰うまで粘る気満々(子供は元気)な親御さんには、

「皆さんお忘れのようだけど、タミフルが原因でおかしくなったんじゃないか?っていう子が死んだ事故ありましたよね。覚えてらっしゃいますか?」

と指摘する事にしました。
今のところ、皆さんこれでハッとしてくださるため、なんとか収束しています。
が、いつまで使える手なのやら……恐怖が大きくなりすぎれば当然、使えなくなる手ですから。

インフルエンザ騒ぎを煽り立てるような報道も少なからずありますが、報道の仕方を考えて欲しいものです。
正しい対策が必要な時に、無駄な恐怖を煽り立てる事は、邪魔にしかなりませんから。

電子カルテ

え〜現在使っているオーダリングシステムは、F通製品です。
DBがと〜〜〜〜〜〜っても重たいです。
デバッグは、エンドユーザを使って実行しました(以前の記事サボるなベンダー!とかそしてコケるデモでご紹介したとおり)。
物知らずの医者は「ふ〜ん・・・・・・」という感じでしたが、ぶっちゃけこれ、ベンダーとしては非常識そのものデバッグ位してから持って来い。
インタフェースは設計思想の統一性が感じられない「昭和が香るVBテイスト」で、無駄なクリックも多すぎる(せめてそのくらい最適化しろよ)。

ぶっちゃけ、これなら大学院生を雇って、MySQLベースで作っても同じレベル。
あれは商用DBの動きじゃ有りません(まさかDB別立てになってないとか言うなら、それこそもう終わってる設計です)。

どれだけデータが増えてもサクサク動く金融システムを作ってた身としては、Fのエンジニアが言った「仕様ではこれだけ(の動き)です」という発言、「僕らに技術は有りません」と聞こえて仕方がなかったわけですが……
あまりに出来の悪いシステムにうんざりして、先日、現役SEであるところの友人にぼやいたわけですよ。
そうしたら、返ってきたのはさっくり一言。

あ〜あそこ、新しいものを学ぶ土壌ないから。技術力もないからね〜(笑)

ワカッテタケドネ……orz

そういやFのセールスエンジニア、私が彼らの目の前で(デモのときです)「この会社の製品だけは電子カルテとして導入しないでください」といったときに、「え、うちのを使うことが前提ですよね?」とかほざいてましたが、とてもじゃないけど、データ量が増えたときにまともに動いてくれるとは思えないですね。
次回バージョンアップまでに、そこまで改善するだけの技術力のある人を、是非確保してもらいたいモンです(選べるならFはもう使いたくないが)。

RFC4824

追加したのは8月だが、あくまでも7月分の記事。

RFC 4824(エイプリルフール・ジョーク・プロトコルの一つ。いちばん有名なのは「RFC 1149:鳥類キャリアによるIP」だろう<愛すべき馬鹿が実装している)に「unused code」というのがあります。
ふと思ったのだが、こいつの「Error:unused code」というのは医療業界にもつながってないか?

もっとも、二つの方向性は全く逆だ。

  • RFC 4824における「エラー」は、腕が6本ないと送れない信号であることから「使用せず」になっている。
    つまり送れないから、実装されない
  • 医療業界における「エラー」は、受信者が無視するので「使用している意味がない」
    よって事実上、実装されていない。

という違いがある。
この「送れないから送らない」と「受信拒否してるから実装しても無駄だった」はずいぶんな違いだ。
むろん、エラー率は限りなく下げなくてはならない。これは、紛う事なき事実。
しかし「エラー率を極限まで下げる」ためには、「エラーの存在自体に目をつぶる事」はできない。存在を無視したらエラー率は下がらないから。
というのは基本中の基本なんだが……こういう教育を受けた人は少数派であるらしい。
慣れればちっとも難しいことではないので、ぜひ義務教育レベルで教えてほしいものです。

閑話休題
ヒューマンエラーは必ず起こるのだから、それをどう回避するか考えないと。
そういう意味で、今でもやたら根性論を振りかざす御仁がいるのだが、彼らは「ヒューマンエラー作ってます」派であり危険な存在かな。

ま、社会情勢が「医者が疲れるとか、あり得ないし」「24時間365日、主治医に診てもらってあたりまえ。主治医じゃない奴が出てきたら『見捨てられた』と大騒ぎして、相手の人格を攻撃してでもいいから、主治医が出てくるまで粘れ」という部分がある以上、『患者が好んでエラー好発状況を作ってる』としか思えない面もありますけどね。

  • 医療事故に巻き込まれたくなければ、主治医は寝かせてやれ。
  • 主治医べったりになりたければ、事故を覚悟しろ。
人生には、その二択しかないんじゃないのかな。少なくともエラー管理の面においては。

先従隗始

虚礼廃止が叫ばれて久しく、というか「うちの会社ではそういう事をやってないから、やらないように」と入職時に釘を刺す会社も少なくない昨今でも、研修医に向って挨拶はしなくちゃいけないよお中元とかお歳暮とかは大切だよ、出しておかないと出世に響くよとたびたびノタマう方、というのがまだいます。
……クレクレ君です。
我が家であれば「さもしい」「卑しい」と叱られたレベルの行為なのですが、さすがに、いい年した他所んちのオジサンが相手です。このての、ご家庭それぞれで異なる品性の解釈問題については、あまり関わる必要性を感じません。

もっとも、こういうのを外部(MR等)に対して、過剰接待の要求など記録されうる形でやってしまえば問題になりかねません。
というわけで、ロコツなクレクレ君は存在自体がハイリスク。
この人が巻き起こすであろう、物品がらみの下らないゴタゴタに巻き込まれたくないな、というのが本音です。
とはいえ、人格の固まりまくったオジサンに「李下に冠を正さず」という言葉の意味まで教える義理はありませんから、どう対応していくか、思案のしどころです。
 

それはさておき。
挨拶はしなくちゃいけないよと言いながら、他部署の長への挨拶はして無い方もいらっさるのが問題です。とゆーか件のオジサン、自分であいさつ回りに出かけたのは赴任して一週間以上経ってからでした。
……言うまでもなく、挨拶は大切です。
後輩に指導するなら、なおさら範を垂れねばなりません。この場合ですと、「挨拶は重要だ、だから僕にお中元よこしなさい☆」じゃなくて、「挨拶は大切だ、ちょっと挨拶に行ってくるよ」がまず初日に来るべきですね(そう、初日にやりやがりました。このご時勢にそりゃ拙いだろ……)。
というわけで、自分だけでも襟を正そうと思う一幕でした。
ま、隗より始めよとも言いますからね。

やっぱりコケた

二日間も全部止めてリプレースしたシステムですが、やはりトラブルが起きました。
ユーザサイドの問題ではなく、サーバ間のデータ移行失敗が原因だったそうです。

はっきりいって、あり得ないレベルの失敗ですよこれは。
まあ、「病院相手だし、それほどシビアじゃない案件だよね。移行後に手直しすればいいよね」という腹積もりなのかもしれませんがね。
細かい手直しが発生するのはまだ分かる。しかし素直に考えて、2日も作業時間とっておきながらデータ移行失敗ってありえんだろ、普通!?

総務課は「トップシェア企業の製品だから採用したんです〜」と言うておりましたが、採用時点では判らん技術力もあります。ぶっちゃけ、基本の「き」に当たるデータ移行でコケるようでは、先が思いやられるレベルです。
病診カルテ連携もしなくちゃならんだろう今後のことを考えると、別のベンダーを採用してもらいたいものです。

ちなみに、カルテ自体はまだ紙です。
この田舎でも「システム入れ替えたのなら、電子カルテ化したんだよね。え、してないの?何で!?」というリアクションが返ってきておりますよ。
近所の総合病院でも電子化が進む今日この頃、そろそろ紙は全廃してほしいものです。
……とはいえ、現状を見る限り、このベンダーの電子カルテなんぞ正直使いたくないのですが、果たしてどうなります事やら。

スクラブ(洗顔剤に非ず)

前にも記事にしたとおり、スクラブを購入してみました。
ポリエルテル混紡ですが、着心地はまあまあ。縫製と生地は少しチャチな気がします。もっとも比較対象が昔ながらの綿100%・襟周りが擦り切れるほど洗濯してもまだ着られる、という頑丈な術衣ですから、普通の出来のものはチャチに見えても仕方ないのかもしれません。
アメリカン・サイズのためサイズ合わせと交換が必要だったことから、今回はネーム入れ無し。きわめてプレーンな、買ったままのものを着ています。
キャラクター柄もありますし、単色でもいろいろなバリエーションがありまして、ピンクのスクラブ来てる人もいるようですが、当方の選択はオリーブグリーン単色。
諸般の事情(主たる理由:ズボラ)でTシャツ類にオリーブドラブが多いから、というきわめて単純な理由によるものです。

で、休日出勤に際して着て見たわけですが、感想はと言うと。

救急隊員:「へ〜ERみたいですね〜」

まあものがチェロキーだけにそういう風に見えると思います。

看護師:「自分で買ったんですか?」

はい、買いました。支給品があまり良くなさそげだから。

先輩医師:「なにそれ、自衛隊?」

……そっちネタですか!?
某M先生じゃあるまいし、白衣まで迷彩にする趣味はないですよ!!

……世の中には、迷彩生地で作った白衣と言う、趣味あふれまくりの品があります(実在するんです)。
あれってどう呼べばいいんでしょうね。迷衣?

術衣支給

4月以降は救命救急やるってことが決まったわけですが。

コードブルーなどの番組でそういうシーンはないと思いますが、あれはけっこうな汚れ仕事です。
ゲロするわ血はしぶくわ大小便垂れ流すわ、まーそういう現場のわけです。

というわけで、汚れまくることを前提に服を着ている人が大半です。
その場合、もっとも多く選択されるのがいわゆる術衣。群馬大学病院の救急部は、緑色の術衣上下(ボトムは脇ゴム入り)です。
アマガエル色なので、けっこう珍しい選択かもしれません。私としては結構気に入っています。

ところが市中病院出向中の現状では、救急部に所属しているわけではないので、救急外来勤務はあれども術衣の支給はありません。
救命センター当番の際には、動きやすさ重視で私物ズボン+カッターシャツ+長白衣という内科ドクタースタイルを貫いております。
いわゆるケイシータイプ(詰襟型、ブラックジャックが着ているアレ)は意外に動きを制限しますので、使いません。動きやすいカッターシャツです。
ボトムは汚れることを前提に、使い捨てても惜しくないユニクロの黒。
長白衣はポケットが大きいナガイレーベン製。千葉白衣のオリジナルあたりだと喉まで長白衣でカバーできるので良いのかもしれませんが、現状ではコストの問題もあるので見送ってます。
……できれば迷彩服(あれは非常に動きやすいうえに、ポケットが大きいので便利です)と同じカットで作られた上着が欲しいのですが、そこまで贅沢言うのはやめておきましょう。

そんな状況下。
さすがに来年度については支給するということで、内定先から術衣サイズの問い合わせが来ました。
試着までしてみましたところ、問題が一つ。

ズボンが踝丈でした。
……にょっきり見える足関節。
いや、そこは隠すところだろ。9分丈のズボンはないだろ。
聞いてみたところ「至急決定する必要はない」「希望がなければ着用義務はない」「希望があればこれから購入の予定」とのことでしたので、
来年赴任する上司のなりを見て、様になってるようなら借りることにしました。
あんまりみっともないもの着たくないですから( ̄ー ̄)

……とかいいつつ、チェロキーの上下買ったけどね。
色はオリーブグリーンにしてみました。ただ単に、下に着るTシャツの色からのセレクションですが(手持ちのTシャツ類はオリーブドラブか黒か灰色なので)。